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【本・特集】灰谷健次郎について。

 小学校高学年のころは「一番好きな作家」として真っ先に名前をあげてました。
 単に作品が好きというだけでなく「この人に認められるような良い人間になりたい」とかなり本気で人生の師匠でした。勝手に。奥手でファンレターも書きませんでしたが。このころ将来の夢が小学校の先生だったりしたのも当然その影響で。
 中学生になったくらいからか、きれいごとっぽさと説教くささが鼻につくようになって、しばらく気持ちが離れていました。まあそういうお年頃だったのでしょう。(笑)
 大学生で「天の瞳」を読んだら普通に面白かったです。新刊を待つ作家の一人でした。

 しかし「天の瞳」はもう続きが読めないんですね…。残念。
 ちょっと時期を逸した感もありますが、一応追悼特集です。

兎の眼少女の器島物語兎の眼 
理論社

少女の器 
角川書店

島物語
理論社


 小学校4年生のころ、最初に読んだのが「兎の眼」でした。数ページではまりました。今から思えば、「なぜ蛙を殺したのか」というミステリーで言うところの「ホワイダニット」的な興味が第一で、それが解き明かされていく過程に惹かれたのだと思います。読み進むうちに灰谷健次郎的価値観に染まっていったのも事実ですが。
 
 「少女の器」は私の中で灰谷健次郎ベスト1です。(しかしこの文庫版の表紙はいただけないですな…)主人公の少女が非常に魅力的で。読んだ当時の私にとっては共感すると同時に反発し、かつ憧れる存在でした。

 もう一冊あげるとしたら「島物語」かな。(私が読んだ時は5冊に分かれた児童書だったんですが、一冊にまとまったようです)父親が突然離島の農村に移り住むことを決め、猛反発する子供二人、しかもなれない島の生活はなかなかうまくいかず、という、「家族ロビンソン」か「大草原の小さな家」的な面白さの中に「命とは」という灰谷メッセージがのせられた良い児童書。理屈っぽく反骨精神旺盛なお姉ちゃんのファンでした。

 こうして考えてみると、私が今の仕事を選んだことも、どこかで灰谷健次郎とつながっているようで、ちょっと感慨深いです。 確実に今の私に影響を与えた人が亡くなったことに改めて寂しさを感じます。
by varaqui | 2006-12-12 16:03 |
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